「器の少女に、いいことを教えてあげよう。この世界で嫌悪されている唯一のセイレイ悪魔(ヴィル)の特徴を。

まずは私のように、人間と同じ容姿だ。ただ、色白の人にしか思われない程度でね、けどやっぱり、少しだけ肌が白いんだよ。

炎で焼かれても、基本的には決して黒くならない。傷がついてもすぐに治る。ただ、その痛みと熱さは感じてもらうんだけどね。」



目の前のユキナさんは、上級術式で背中を焼かれているのに、そこから広がることはなく、ただ燃え続けているだけだった。



「そして、ヴィルは古代術式でしか倒すことができない。んー、精霊級術式って言ったらわかるかな?」



つまりこれは、こいつがしているのは、ユキナさんへの罰。なんで私を奪う算段だった?いや、そんなことより



「ユキナさん、悪魔なの…?」



記憶をなくして孤児院に入った私が孤立しても、そばで支えてくれたユキナさん。私の中で今溢れ出しそうな感情。



裏切られた?


違う


驚いた?


違う


死んじゃ嫌だ!!



その一つ!