それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

───空中で大爆発を起こした。



「ファレリア様!!」



喉が枯れるくらいの大声で叫んでも、返ってくるのは、パチパチと虚しく燃えるカスが弾ける音だけ。


どれくらいの時間が経ったんだろうか。弾ける音もしなくなった頃、ブランさんが言った。



「とりあえず、各国へ戻るとしよう。今回のことは

悪魔が襲ってきて、ファレリアさんを連れ去った。爆発も、救うために健闘したということにします。

この国で起きたことは私が全て揉み消しておくので、皆さんも他言無用でお願いします。」



言葉の半分は入ってこない。コネスト様の声も聞こえない。そりゃあそうか。引き寄せた張本人は、もうこの場にいないのだから。



「わかったわ。ただ、何かあったらすぐに連絡を頂戴。行くわよ、タリー。」



「あわわ…は、はい!!」



タリバンさんだけがペコリとお辞儀をして、よう精の二人は扉から出て行った。



出て行ったのを確認して、カイラ兄様が言った。



「城を、こんなに破壊してすみません。」



すると二人はクスッと笑って、ブランさんは頭に手を乗せた。