それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

穏やかすぎる空気に反応が一瞬遅れた。気付いて踏み出す頃には、二人は窓から落ちて、限りなく黒に近い紫色の翼で飛んでしまった。



「ただで逃すわけねえだろ。俺の嫁盗られるもんなんだぞ。

精霊術式、雷炎槍!!(らいえんランス)

合術、風雷+精霊力増幅!!(ザンダ・ウィンド・エンチャント)」



「止めるんだカイラ君!例え君でもあれは無理だ!!」



この距離では誰もが届かないと思った。ブランさんの言うことは、本来は正しかった。



「止めないでください、ブランさん。男っていうのは、わかってても無茶しなきゃいけない生き物です。だから

ヴィルの王だかなんだかしらねぇが、俺の嫁返せよくそがぁぁぁぁ!!!!」



窓から一直線に、渾身の一投をした。



風で勢いを増し、雷と言う名の光を持ったその炎の槍の狙いは唯一つ。



「やっぱり、人間の考えることは読めないね……。」



少し興味深そうに振り返ったシラクスがそう言ったと同時に───