それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「物心つく頃には、存在を知っていたわ。そして、国王陛下とともにこの三カ国会議へ参加した時に初めて会った。

私の中にシュラがいることを一目で見抜き、外部への流出禁止の外交文書という名目で月に一度彼に報告していたわ。

私の管轄はヴィーナス全土。もちろん、ユキナ・アルマイラは私の管理するヴィルの一人だったわ。

あなたの10歳の時ではまだ、条件が揃っていなかった。だから

あなたの監視の任を請けた筈が、情に流され裏切り者となったユキナを処分した後、あなたをヴィルから守った優しいファライア様を創った。」



やっぱり、わざとユキナさんを見殺しにして…



「そんなことをしてまで、何を得たかったんですか?」



「何が欲しかったか?強いて言うなら、あなたのような強さかしら。

王族という鎖もなくのうのうと暮らして、ヴィルを持っているというだけで偉そうに椅子で踏ん反り返っている、少し長生きしたくらいのジジイ達にぐちぐち言われない。

そんな、自由(つよさ)が欲しかったのかもね。」