それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「ちっ、盲点だったわね。まさかこの一瞬で、術式を使えるようになるなんて。」



スズさんが吐き捨てたその言葉は、ここにいる皆の心情を表していた。



「お忘れですか?私はヴィーナス王国第一王女。今までに扱えなかった術式はなく、希代に名を連ねる人間です。」



今までのお姉様では、考えられないほど邪悪な顔で首をかしげた。なんでだろう、今までそう言う経験を何度もしたからかな?



手の届かない場所に行きそうで、引き止められないと、私の中の何かが察知している。引き止められないならせめて、聞きたいことがあった。



「お姉様、いつからその人と知り合いだったのですか?まさか」



そして、それに否と言って欲しかった。ユキナさんが消滅した直後に現れて私を助けてくれたお姉様のもう一つの可能性を。