それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

にしても、この出来栄えなら最上級と言われても納得してしまう領域。それを上級の精霊力付与なしで、即席で、ここまでやれたのは、流石の一言に尽きた。



「ふふっ、そんなことをして無駄なのにね。人間はいつだって不可解な行動をしてくれる。私の理解が及ばないほどにね。」



シラクスはそれを、一払いで壊してしまった。が、



「森羅万象を惹き付ける。

精霊級術式、物質変換!!」



氷が一瞬でガラスとなり、二人を拘束する枷となった。



「フィルちゃんは初めて見るのですね〜。あれがブランの能力、物質変換。



変換の異能力者自体が少ないのですが、基本的には、同じ素材じゃなければいけないとか、少し小さめになってしまうとか、何かしらデメリット付きの術式。



けれど、どんなものからでも、何でも変換できてしまう彼ほど完璧な物質変換可能者は、現代において片手で数える程もいないと。」



これが、現代では希少で、その中でも最強とも言われる術式。その完成形。



「さすが第一国王、名前だけじゃないのは知っていたよ。だが」



「……精霊級術式、物質変換。」



お姉様のそれによって枷は姿を変え、鮮やかな紫色の翼になった。