それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

よう精は、世界各地を転々としている。けど、ヴィーナス国民にそんな情報は入っていなかった。



否、王家が秘匿していた。今初めて聞いたに等しいけど、森を枯らすことができるのはヴィルくらいだってことは、簡単に想像できる。



「と、当主様は、ちょっとやることがあると言われ、側にはいない状況。連絡も取れず、残された我々ではどうすることもできないのです…。」



しょんぼりしてしまったタリバンさん。フォーゼスさんはなんというか、怖い、威圧的、そんな感じの顔で聞いた。



「へえ、君たちは確実にヴィルのせいだと言っているわけだね?では、その証拠は?ああ、多分とか、恐らくとか、そう言ったのは求めてないからね。」



有無を言わせない言い方。けど、スズさんは恐れる様子もなく答えた。



「まず、黒く、暗く森を枯れさせるなんて芸当、人間にできたとしても、あたしたちが調べればすぐにわかるから白。

水精様方は聖霊でも上に立つ存在。水神様を知ってはいるけど、そんなことするような方じゃないし、仲間にそんなことをさせるような方じゃないから白。

ラナフレムを守るだけで手一杯らしい火精は、そんなことに使う余力はないと前もって聞いた。それに、彼らなら枯らすより燃やす方が正しいわ。だから白。

森を必要とするあたしたちが、無意味に森を枯らすなんてことしないし、そんなことなら隠し通して、こうして会議の議題にするわけがないから白。

そうしたら、確実な理由からなる犯人が見えてくるでしょう?」



それは当然だと、どこに疑問を挟む余地があると言わんばかりに、堂々と言い切った。けど、フォーゼスさんは、こう言い放った。