それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「フォーゼス様はどうされたのですか?」



これは兄様だ。多分、今は空席の方の名前。



「ああ、なんでも彼は、今後のためのことを少しやっているそうです。一昨日から篭りきりでね。

あっ、フォーゼスっていうのはラナフレム王国第二国王、フォーゼス・カゲツキ。私より年下だけど頭の切れる人でね。

出身が貴族というわけじゃないんだけど、実力で国王になったとても頭の切れる戦略家。軍事は全て彼に任せているよ。」



『ラナフレム王国歴代トップ5に入る天才軍師』と呼び声の高い、ラナフレム王国闇側の支配者で、写真の類は一枚もない。故に、姿を知るのは限られた人間だけだと学園で習った。



「っていうか今来たわよ、彼。」



スズさんが扉を指差すと、コツッコツッと靴を鳴らしながらその声は聞こえた。



「やあ、待たせたね。 この様子だと、ギリギリ遅刻といったところかな?」



綺麗な顔立ちで、爽やかな感じだけど、どこかで聞いた声。……一体どこで。



『フィー、挨拶。』



フォーゼスさんが座ると、頭の中にお姉様の声がそう響いて来た。



「フィーネ、あっ…フィル・アス・クラフィネイトです。」