「フィーちゃんが第二王女様じゃないかって疑い始めたのは1年生の精戦祭り。

確信に変わったのは、4年生の精戦祭りの時。

確証を得たのはその日の夜、フィーちゃんは疲れて先に部屋に帰っちゃったけど、あの後報告書共々見せてもらっていたんだよ。」



「えっ…じゃあ、私の記憶が戻ることも、王女になることも知ってたの?」



裏切られたとか、そういう気持ちになっているわけじゃない。ただ、知らずに婚約をしてしまったなら、一緒にいたのなら、申し訳ない気持ちが涙のように出てきそうだったからそう聞いた。



「うん、全部知ってた。確証を得た夜に。

父さんに関しては、ファレリア様と孤児院に行った時から気づいていたらしいけどね。」



ルドガーさんも知っていた…!?



「じゃあリリーさんは……。」



「俺の予想だけど、多分、知らなかったんじゃないか?まあ仮に、知っていたからどうこう言う人じゃないし。」



その口振りから察するに、リリーさんも知っていたんだろうと私は思った。



アレクシア兄弟の非戦闘向き術式の根元(ルーツ)は確実にルドガーさんじゃない。となればリリーさんしかないわけで、学生時代優秀な生徒だったということを想定すれば、そんなことは容易に想像ができた。