「あれ?よぼ爺どこ?」



戦場で、人が変わってしまったかのようなザン先輩は辺りをキョロキョロ見渡した。



「あのー?あの人。爺ちゃんじゃない?」



ナル先輩が指差す先には、白髪と言うよりは銀髪の好青年が、長い鎖と鞭を使う二人組と交戦していた。



「兄さん!当たんないよあの白髪野郎!」



「落ち着け。お前が冷静に対処すれば人間一匹ごとき…。」



「いやあ、若い身体は動きやすくていいな。」



…見間違い、じゃない?



「いや、多分あれ、よぼ爺だ。」



その光景に目を凝らしながら、シレッと私の頭を撫でる



「ザン、せ、んぱい…。」



「ん?…あっ!ご、ごめん!!」



気づくと、おどおどして慌てて離れるザン先輩。



「なんだよザン〜?」



茶化してニコニコするナル先輩。



「はあ、そんな事やってないで行きますよ?」



メガネを押し上げて、フッと真剣な表情になるフレア先輩。



その三人に、お兄ちゃんを重ねてしまう。



「(今度は、会いに行ってあげようかな…。)」



「行こうか?マナちゃん。」



ザン先輩が伸ばしてくれた手を取って、戦場に行った。