それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「はぁ、はぁ…待た、せた?」



今日休みたかったのはこのため。



「いやいや、待ってないよ?それより、そんなに息切れして大丈夫かい?ヴィオちゃん。」



「全然、平気。ウェイドの為、なら。」



偶々パーティーで知り合った、胸が、苦しくなるほど大切な人。



「そんなこと言ってコクア君。また困らせてきたんでしょ?」



「(ギク)」



「(図星か)」



せっかくウェイドが誘ってくれた城下巡り。一回だけなら、稽古も休めると思っていた。来年からは、こうして会うことができなくなるから。



「城下でも巡りながら話をしようか?」