それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「にぃ?」



ピアノの教室に入る前に、立ち止まって声をかけた。



「ん?どうしたのだ妹よ。」



「今日は、全部の習い事、休み、たい…。」



ゴトッ



その言葉ににぃは、学校の鞄が手から滑り落ちた。



「ヴィ、オラ…いやいや、まさか、体調でも崩して…」



「違っ…。」



「血が出ているのか!?どこだ、早く見せ…。」



パッシィン!!!!



「ヴィオラ…。」



「ハッ!!!」



叩いてから気がついた。どうしよう。心配してくれたはずのにぃを、傷つけた。双子のにぃを、私が…。震える手、焦点が合わなくなっていく視界。気がつけば、玄関に向かって走り出していた。



「ヴィオラ!!くそっ、薔薇の花園から逃げ出そうとする者よ。門番の前に立つとは愚かなり。後悔させやる。

中級術式、薔薇の拘束(ロック・ローズ)」



バラの茎の鞭が、私を狙う。けど、ソルツァートは代々、植物に重点を置いた術式が多い。ライアンおにぃちゃんは異例だけど。そして、



「薔薇の花園へ足を踏み入れし愚か者どもよ。女王の前に立つとは愚かなり。後悔させやろう。

上級術式、薔薇の鎖(チェーン・ローズ)」



私とにぃなら、私の方が、異能力者としての力は上。



「はっ、くそっ!!」



中級の鞭ごと拘束した。



「ごめんね?にぃ。」



そう言って護身用の術具、電送機(スタンガン)を、首筋に当てた。



「ぐぁっ!ヴィオ…ラ……。」