「はぁ、また呑気なこと言っちゃってるよ。」



「だ、大丈夫。タクト様は全部、考えた上で行動しているはずなので…。」



今回は珍しく転ばなかったタリバンに感心し、それを踏まえ彼を褒めた。



「一番年下なのに、頭脳で聖軍入りしたはずのレイジより賢いのですよぉ。」



「いやいや、ムードメーカーって言う唯一無二の存在で…。」



「必死ぃ。超うけるぅ。」



「ちょっとマヒナ!?」



「いやぁ。面白いことは結構なのですよぉ。寧ろ、面白くないと生きている意味がないのですぅ。それに、タリーの言う通り安心して欲しいのです。失敗しているように見えて実は、それでも着実に、確実に運命という名の歯車は回っていくから。」



「「「「!!!!」」」」



その異様なまでの執着心とでも言うのだろうか。四天王と自称する彼らでさえ、背筋が凍りかけたという。



「もうすぐ、君に会えるよ。10年なんて、君に会えなかった時間と比べたら一瞬さ。君を殺した人間ども(ゲス)を、一匹残らず僕が、僕らが殲滅するから。待ってて。」



タクトの執着心は、君と呼ばれたであろう水の中に入っている少女に、今にも触れそうだった。