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「勝敗は完全に決したのですぅ。僕たちの相手は水精と火精。戦争の悪魔(ファライア)にも勝利した僕たちなら、容易い事ですよぉ。行くぞ、聖軍。」



彼は、チェスの黒の王の駒を手で壊しながら王座から立った。



「キャハッ。その戦争の悪魔(ファライア)にやられて、今では聖軍も、4人になってしまったわよ?」



長い爪と白い肌。右に八重歯のある15歳くらいの少女。



「そうだね。二流三流ならまだしも、俺たち精鋭は、軍っていうほど多い人数も残ってないよ?」



ヘラヘラと、黒いフードを被った少年。



「…新しい、名称、付ける。」



おそらく最年少。中学一年生くらいの見た目で、響くテノールボイスの少年。



「あわわ…僕は、聖軍はど、どう動けばいいのでしょうか…。」



おどおどしているしょうn…タリバン。



「そうだね…。」



考える真似をした後、指をパチンと鳴らした。



「四種族の頂点にたつ聖霊の精鋭。四天王。ぼくは、更に上に立つ者、指揮にするのですぅ。」



「四天王って、中二病!ウケるぅ。しかもシキって。読み方変えただけじゃないですか?マエストロ様?」



「いやいやぁ、指揮ってかいてこう読むんですよぉ。――タクト。」



「じゃあ、今日からタクト様って呼べばいいかな?」



「んー、混同しちゃうしね。それでオッケーですよぉ。」



「イェス、ボス。」



「わ、分かりました!ゲフッ!!」



「コホン。何もないところで転んだタリーはさておき。悪魔の敗北で安心しきっている人間たち。それでも歯車(じごく)は、回っていくけどね。」