「あっ!」



「どうしたのフィーちゃん?」



忘れるところだった。



「青色の石、割ってない!」



ポケットから取り出した青い石は、もらったままのきれいな姿をしていた。



「ああ、今割るの?目の前にいるっていうのに。」



「なんか、もったいないって言うか?せっかく用意してもらったのに悪いかなって。」



はぁ。とため息をついてから、好きにすれば?というゲキに甘えて、手の平で握った。そしてそれは、砂のようにサラサラになって、偶然にも吹いた風によって運ばれた。



「終わった。よね?」



「ああ、終わったよ。だって、フィーちゃんに渡した3つの石は、ただの氷の石じゃない。嘘を見抜き、触れてなくても思いだけで割れるよう、母様にも協力してもらった。緑の石だけは、タクトさんに頼んで瞬間移動術式を組み込んでもらった。」



じゃあ、嘘でも、冗談でもなく、



「本当に、終わったんだ。」