それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「『じゃから、これからこやつらと考えていけばよかったではないか!なぜこのような、無慈悲で、残酷なことをッ!!』」



その弱々しい声に、あの水神様が涙を堪えるほどのことだった。



「お姉ちゃんに、分かるわけがないわ。悪魔と名のつくだけでどれほどの差別を受けてきたか、どれほど、惨めだったか。」



一雫だけ、瞳からは涙が零れ落ちた。



「私たちが一体何をしたっていうの。こんな世界ならいっそ、なくなってしまえばいいの!ファーちゃんも、シラクスも、悪魔のみんなも。大切な人たちが苦しむ世界なら、そんな世界なら、何度だって私はッ…!!」



そこで私は、水神様にこうお願いした。


──私に、話をさせてください。


と。有無を言わず、すぐに変わってくれた。だから、私のやることは、間違いじゃないはず。だから、











ごめんね、お姉様。



「いい加減に、してください!!」



ぺチッ!!



「えっ……。」



頰を、軽く叩いた。あんまり強いと、ダメだと思って。



「グダグダ言ってないで、素直にそう言えばいいじゃないですか!?自分たちは悪くないと。」



「何を今更。このファーちゃんにさえ変えられなかった世界を、他の誰が変えられるというの?かすかな希望の芽なんて、気づかれないまま踏み潰されて、そこにいたことさえ気づかれないのよっ!」



確かに、お姉さまに信頼も実力もあったことは否定しない。けど、諦め悪くてしぶといのも、人間の性だと思うから。



「あなたは人間じゃない!それに、悪を滅するための魔法を使う種が、善悪の境も考えず暴れていては、王自身が変えられないと思っていては、変えられるものも変えられないし、得るものも得られるわけがない!」



一瞬、ほんの一瞬。目に光が見えた気がした。