「お姉様?連れてきたよ。」



「そう、ありがとう。彼の横に、私を。」



現れたのはフィルと、抱えられたファレリア。後ろからゲキだった。



「フィル!勝ったのか!?その様子だとファレリアはッ!!」



興奮するカイラを素通りして、シラクスの隣にファレリアの体を置いて、距離をとった。



「おいゲキ。何がどうなってんだよ。」


赤い線まみれのファレリアを見たカイラの問いに、真面目な顔で言った。



「詳しくは、フィーちゃんが説明する。」



ゲキがそう言った直後、悪魔の二人の下に紫色の悪魔の紋章がデカデカと浮かび上がった。紋章内からはキラキラと上へ昇る紫色の光が、出ていた。


「ありがとう、姉さん。」



その言葉を最後に、シラクスは意識を手放した。



無言で振り返るといつものような明るい雰囲気もなく、真面目という言葉の象徴のような顔をした。



「時間がかかるそうですので、私から、ここに至るまでの話をさせてください。」



「ったく。言い逃げしたあいつといい、話聞いてばっかだ。せめて座らせろ。」



ひとまず、座ってYESを示したカイラ。ブランはそのまま。だが全員、聞く一択しかない顔だった。



「では、お姉様を倒した後、私がここに来るまでの話です。」