それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

『そんな願いをしていいのですか?そしたらあなたは…。』



「体に三つも精霊の魂を宿していたのです。寿命はもともとそれほどなく、ここまで生きた私は、明日にでも死んでいるかもしれない。

だったら、無駄にするくらいなら、せめて愛する娘たちや国民に、置き土産(いさん)の一つ、残してもいいんじゃないかしら?」



額に冷や汗を流し笑顔で言ったその顔に、シュラも決意を固めた。



『最後までそんな憎まれ口を叩けるのなら大丈夫そうですねライちゃん。いつも通り…いえ、こちらの都合で少々違うようになっても?』



「構わないわ。」



本質が変わらなければ、願い以上のものになるなら。そう信じて、強く頷いた。それを見たシュラは一呼吸置いてから、敵のリーダーのように手を空にかざした。



『(ついこの前まで未来なんて必要ないと嘆いていた貴方が、誰かの優しさに触れて、世界を知って、笑顔を知って、愛を知って…その背中はもう、昔のライちゃんじゃないわね。)』



心の底から溢れる喜びと悲しみを、必死に抑え込んで…



『これより、新たなる記録と記憶へ移行させる。

言葉(ねがい)を術式に組み込む(トレース)。起動4、3、2、1──

──絶・精霊級術式、神々の超越』