「最上級改造術式。桜の舞う日に(スプリング・ブロッサム・グリッター)」



ソルツァート家の十八番。植物に関連する術式。雪が降る中で桜の花弁が舞い、花弁が雪に当たればそれで爆発をした。そして



「あいつ『ら』の術式、やるじゃん。」



パンッ!ドッカン!!



銃で数ミリでも一番大きい雪を狙って爆発した。それが引き金で、連鎖爆発を起こしていく。



「そうかい?でも、それで終わるとは思ってないだろうね?」



雪と桜がギリギリ触れていないところから、超スピードで突っ込んできた。



「ったく。その身のこなしと大胆さはさすがだと思うが、人間は協力・協調・連携がウリなんだわ。んで?殺るなら今だぜ───。」



───ザシュッ



そんな感じの、鈍い音がした。



「クッ……。」



「観念しなさい。シラクス。」



今まで息を潜めていたタクトの、これでもかと言わんばかりの最良の弓の一撃。どこからか余裕を持ってゆっくり歩いてきた。



「貴様…余計な茶々を……。」



「透過(トランスミット・アビリティ)、解除。」



「おう、乙、タクト。」



「お疲れ様でした。ライアン。」



武器を片手に、グーにした拳をコツンと合わせた。



「その程度で、勝った気になるなんて……やっぱり下等生物の極みだね。」



「何言ってやがる?タクトの弓がてめぇの左の太腿を貫通したんだ。お前の状況でまあよく動く口だなぁ?」