パンッ!パンッパンッパンッ!!



「なっ?」



彼が驚いた理由は、幻影の一発を除く本命弾以外の3発全てが当たっていたということ。先の戦闘では万に一つも当たらないと腹を括っていた弾さえ四肢や腹に当たって、一瞬止まった。


これなら自分に当たる前に───いける。



「だったらなんだって話だよっ!!」



すると、今に至るまでにつけたはずの傷はみるみる塞がり、接近するスピードが緩むことはなかった。



「そういうところが全ての元凶で、全ての始まりだッ!!」



「マジかっ……。」



「せいぜい、後悔するといい。」



彼は、一切の武器を使わない。なぜなら、彼の武器は自身の拳だから。



「グハッ……。」



後ろに吹き飛ばされたものの、すぐに体制を整え、後ろの木にぶつかる前に、足をブレーキにしてギリギリ耐えた。初めて見たシラクスの戦闘に、辛うじて受け身を取ったものの腹に食らった1発はかなり重かった。



「(んであれだけ怪我したのに動けてんだよ。やっぱバケモンだな。)」



残りの弾の数を瞬時に思い出してから、こう発動した。