それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「きゃぁあああ!!!」



頭と心臓を抑えながら、空中でフラつく身体。



「戻ってきて、まだ生きてるはずだからっ。お姉様!!!!」



「フィッ……まだ来ないで!せめてッ……水神(お姉ちゃん)を倒すまでは……!残りの全弾標的へ!!!!」



一瞬、紋章が消えた気がした。消えて、お姉様が戻った。けど、再び紋章が浮かび上がった左目は、紫ではなく赤い悪魔の紋章が浮かんでいた。



『交換(トレース)、術式(プログラム)起動。己が絶対は、主のものじゃ。』



今、全チャクラムが狙うのは、私。だけど、



「悪魔唯一の弱点の氷なら、残された森(レスト・フォレスト)全域にかけさせてもらいました!」



降る雪が、この森全域の勝負を大きく左右した。この場では、



「負けっ……嫌よ!こんな終わりっ!!」



いや、この雪の能力にそんなものはない。けど、精神が不安定になった。



それによってチャクラムの軌道は逸れ、自然消滅をしていった。



「諦めて、くださいよ!!ッ……。」



短剣を投げた当時に、私の意識が一瞬だけ朦朧とした。多分、ここに至るまでの術式の連続稼働や絶・精霊級を使ったことで私の精霊力はもう限界。



「ここで諦めては、同胞たちに会わせる顔がないのッ!!」



そんな中で、もう一度翼をはためかせ飛んでくるシュラ。でも私はもう、飛んでいるのも一苦労で、息も乱れて…。


だから、緑の石割れて。そう願えば多分、触れていなくても割れてる確信があった。ほら?