それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

『さて、頃合いじゃが、念のため確認するぞ。始めても、本当によいのじゃな?他の確実な方法も……。』



「(いいんです。それが、私が決めた方法だから。)」



今、私の体を使っているのは水神様。だけど、どちらともが笑っていた。



『そうか。して、満月の輪(フルムーン)の核を見つけた。』



そう言ってあっさり、半月の泉(ハーフムーン)で一思いに壊した。



パリーン……。



「(本当に…それで壊れたの……?)」



『ああ。主も今見たであろう?』



砂のように、サラサラと落ちて行く様子を見れば、そんなことは一目瞭然だった。そしてを一握りだけ、服に入れた。



『してフィル。アレの段階としては、主が発動を宣言するだけにしておいた。せっかくじゃ。変わってやろう。』



私の体も、あっさりと返してくれた水神様。



「あっ、ありがとう…ございます。」



『(しかし、神具47種になってしまったのぅ。)』



そう言って冗談半分に笑う水神様。準備もできた。やっとこれで、お姉様を。そう思った瞬間だった。