それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

『奴の神具の真の本体はあれじゃ。』



「って、ことかぁあああ!!!」



弾きながら距離を一気に詰める!!



「その程度!!最上級術式、炎舞水雷!!」



まずは、周囲を囲まれる。けど、



「知ってましたか?空中戦では本来、その術式は不利なことを!!」



炎の中に水が流れ込み、雷を流して最低でも感電、最悪で直撃。つまり、炎の輪から逃れれば、術式の効果を殆ど受けない!さっきみたいに球体にしていないなら、躱すことなんて容易い!!



「なっ!!」



最上級術式を発動しているし、神具の能力とやらも使っている。



「これ以上!余裕はないでしょう!!」



「きゃっ!!」



両腕を顔の前でクロスさせて守ろうとしたんだろうけど、私の狙いはチャクラムだけ!!



「もらい。」



リングの穴に短剣を引っ掛けて、そのまま遠くへ離れる!!



「待ちなさい!それは…それはお姉ちゃんが!!」



泣き叫んでいる。と言う方が正しいのだろうか。気を緩めた瞬間だった。