「何をぼさっとしているのッ!!」



『くるぞ、フィル!!この際じゃ。後のためにも今は先に、神具のことをあらかた説明してやる。』



そうこうしているうちに、チャクラムが飛んできた。



『まず、普通の武器では神具に触れると、生成に際し使用、付与された精霊力が奪われる。そのせいで形を維持できなくなり、壊れてしまうのじゃ。』



「わっ…あっぶな!!じゃあ、風刃!!」



今作った風刃は、受けた攻撃の威力を1.5倍返しにする。だから受け止めて、反射の蓄積をする。武器を生成した精霊力が奪われて壊されるか否か、ギリギリまで。



「神具の力、侮らないでくださ…い……?」



シュウォン!



そんな感じの音を立てて、逸れたチャクラムの軌道。



「確かに、通常の武器も、術式武器も神具には通用しないと言われています。けど、その構造さえ知ってしまえば対処法なんていくらでもあります!!」



「その程度!!」



「精霊級改造術式、炎舞水雷暗冷風火(えんぶすいらいあんれいふうか)」



氷風の陣を改造した暗冷風火。本来は大量の水が流れるのが、闇を纏った無数の氷を風で加速。しかも、冷たすぎて熱いといういわば、低温やけどを引き起こす。


まして今回は空中。最初の炎はただ囲むんじゃなくて、球体にした。