それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

ーラナフレム陣営ー



「これはまた……どう対処します?ブレンダー様。」



筋肉質な、陣営指揮代理がこう言うのも無理はないのかもしれない。何せここには、ざっと3000の悪魔が空中にいた。



「まだ攻撃しちゃダメなのぉ?兄さん。」



「王の命令を待たなきゃいけないだろう?」



そこの統括リーダーらしき二人が、余裕の顔で交わす会話。



「全員、戦闘準備。死ぬと思ったら逃げて構わない。自分の命も、仲間の命も無駄にはするな!気を引き締めて行くぞッ!!」



「「「「はっ!!!!」」」」



ブランに答える、ラナフレム兵士たち。その声の直後、



「こちらは、準備完了しましたよ。」



ピアスの形のそれに、ブランはそう言った。



『そろそろだ。フィル様?』



聞こえてきたライアンの声に、微塵の不安もなかった。