それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「女の戦いって、見てるこっちが怖くなるよね?」



やれやれと言わんばかりに、まるで他人事のように話を振ったのはシラクス。



「それにゃあ同意だが、負ける気ねぇからだろ?どっちも。」



銃をくるくる回してから、楽しそうな顔で一発撃った。



「いい腕してるねぇ、君。わざと頰をかすめるところを狙うなんて。」



銃弾がかすかに触れたんだろうか。横に切れた痕からは、ツーっと血が落ちていた。



「そっちこそ、当たらねぇとわかって動かなかった洞察力、判断力。流石元ラナフレム第二国王様だ。その実力なら、引き抜いてでも国(うち)に欲しいもんだなぁ。

──人間だったなら。」



陸上では、二人の戦いが始まっていた。いや、



「時が来るまで、息を……

最上級術式、透過(トランスミット・アビリティ)」



……3人の戦いが始まった。