それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「連絡しました。今はラックたちが向かっているらしいです。」




手首に装着している(?)オレンジ色のものが多分、タクトさんの通信用術具だと思う。



「わかりました。大丈夫、取り返す。取り戻す。待ってて。」



半月の泉(ハーフムーン)握り直して、一呼吸。



「そろそろだ。フィル様?」



特攻隊所属フィーネではなく、ヴィーナス王国第一王女(仮)としての仕事。



「機材は……さすがフィーネさんの防御術式ですね。無傷ですよ。」




その類を得意としたお父様の血が、私の中に流れているから。



「スーッ。」



大きく深呼吸をして、大声で言った。