それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

sideラナフレム



「ブ〜ラ〜ン!」



「わっ!?どうしてんですかフィリー。」



後ろから飛び付いてきた彼女に、彼は目を見開いた。



「負けたら承知しないのですよ。あの子と、この子の為にも。」



あの子とは、4歳になる二人の息子のことで、この子、とはお腹の中にいる娘のことだ。



「大丈夫、みんな死なせない為に、フォーゼス、いや、シラクスと決着をつけて、必ず勝って帰ってきますよ。」



腰に回っているフィリアラの手を、そっと掴んだ。



「約束は信じませんが、あなたの宣言は信じますよ〜。ちゃんと思いがこもっているのですからぁ。」



彼女の場合、過去地下幽閉されていた姉を解放すると言う父親との約束を何度も破られて以来、書面ですら約束事が嫌いだった。結婚の時ですら、書面の約束は嫌だと少し駄々をこねたくらいだ。



「ええ。国民と、彼と彼女と、君と、私自身に向けて。」



そっと握った手に、重なって光る指輪。



「ちゃんと身につけておいてくださいね。」



何かあった時は、私のそれの氷の宝石に信号が来ますから。そう付け加えて言うと、ブランは聞いた。



「一つだけ、聞いていい?」



「何なりと聞くのですよ。」



フィリアラは少しだけ、抱きしめる力を強くした。



「もしも、フィーネちゃんやゲキさんが危険な状況に陥ったとして、助けられるのが私だけだったとして、死ぬ可能性も考慮した上で、どう動いたらいいと思いますか?」