side悪魔



「手筈は全て整えました。」



「ああ、下がれ。」



シラクスに言われて部屋を後にした悪魔の手下。



「ふぅ〜。」



「無理は禁物ですよ、シラクス。」



奥の暗闇から出てきたのは、ファレリア……シュラだった。



「ああ、わかっているが、今日で一区切りだ。気も張るさ。」



首をゴリゴリと鳴らし、肩を揉む姿に、口元を押さえながらふふっと笑いながら近寄ると、手元の紙を見た。



「そんなにその紙が大事ですか?」



「ああ、これは、忘れてはいけない大切なものだ。」



どこか遠くを見つめるような目で、それを見ていた。



「私たちは負けないわよね?」



「ああ、勿論。当初の予定に狂いはない。何があっても、勝利は絶対だ。」



そう言って立ち上がり、悪魔の観衆の元へ向かった。その背中に付いて堂々と、ゆっくりと歩いて行った。