「フィーちゃん……本当に大丈夫?」



「例え大丈夫じゃなくても、頑張らなきゃいけない時があるからね。」



今日は、戦争の日。実のことを言うと、昨日とその前は熱を出していた。




「ねえゲキ、本当に私でよかったのかな?」



「はぁ?何を今更。」



そう心配するのは、他人じゃない自分が、国1番の学習機構をトップで卒業して、特攻隊に入って、王女になって……。他のダレカなら、もっと違う結果があったんじゃないかって思ったりもするから。



「ねえ、できるのかな?宣言しちゃったけど、お姉さまを取り戻して、悪魔を倒すなんて。」



はぁ。そうため息をついてから、逸らすことのない瞳で言った。



「フィーちゃんが下を向いたら一体誰がこの国の未来(まえ)を見ることができるっていうんだ!」



そう言って食らったのはまっすぐなデコピン。



「ったい!!」



「万人ウケする人間なんていたら会ってみたいくらいだ!それに、デコピン食らってそう言ってる方が、フィーちゃんらしいの!でもって、ダメな時はちゃんと連絡して。それ割ったらなにがあっても駆けつけるから。」



3つ渡されていたオリジナルの氷の石。決して冷たくはない。



「赤は終了、緑が発見、青は緊急時。大丈夫。ちゃんと覚えてるから。」



手のひらに乗るくらいの、ゲキ特製の氷の石。



「落とすことはないと思うよ。常にフィーちゃんの半径1メートル以内にあるよう設定したから。それに、フィーちゃんが割ろうと思った時しか割れないから。思えば軽く握るだけで壊れるから。」



昨日とその前の夜にも確認して、まだ朝の4時過ぎだっていうのに、こんなふうに確認ばっかりしている。まるで初学校低学年の子が遠足に行く時のように。



「はぁ、何回確認するの?子供じゃないんだから。」