「ゲキ?」



するとクルッと背を向けて、ドアノブに手をかけた。



「あーあー、人が心配してもやりますって突っ切っちゃうなんて相変わらずだね。

俺は、フィーちゃんに幸せになってもらいたくて、俺の人生全てを捧げられる勢いなんだ。

──絶対死なないって、今ここで約束して。」


さっき小さくなった背中は嘘のように大きくなっていた。だからこそ、私は背中から抱きついて



「何度でも言うよ。私は、この戦争の作戦で死なない。みんなを守って、ゲキとの約束も守る。絶対、生きて帰る。」



扉からは、眩しい光が差し込んだ。



「戻るか、王接間(あそこ)へ。」



恥ずかしさ半分、吹っ切れた半分の顔で笑いかけてくれたゲキ。



「えっ、ちょっ!?」



「いいだろ?フィーちゃんに術式を使わせない為だ。それに、待たせてもいいさあんな奴ら。あんな作戦にすることを、少し反省させてやる。」



横抱きにされた私は、そのままゲキに体を預けた。



「じゃあ、お言葉に甘えよう……かな?」