「──ありがとう。」



心配してくれて



生きていてほしいと願ってくれて



愛してると言ってくれて──ありがとう



「フィーちゃん……フィーちゃん……。」



それは、さっきの駄々をこねるような涙じゃなかった。なんて言うのかな?……よくわからないや。



「それに、まだ死ぬって決まったわけじゃないよ?私は現代において最強と言われていると言っても過言じゃない異能力者。

だから信じて。私が、勝って生きて帰って来ることを、お姉様を、もう一度ヴィーナスに連れ帰ることも」



そう言うと、ガバッと顔を上げて



「信じてる、この先もずっと一緒に歩んでいけることを、何年も、何十年先も、家族で生きていけることをッ!!」



涙をこらえた顔で、そう言った。



「よし、じゃあ、家族みんなと生きていくために取り返そう?お姉様を。それで、倒そうよ?悪魔を。」



ごしごしと拭くと赤く充血したゲキの目は、何かを決めていた。