それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

──戦場のど真ん中に送り込むなんて。」



この作戦、本来なら東寄りか西寄りで分担しようとしていた。


けど、それだと中心でいざこざが起きないとも、中心に悪魔が来るともわからない。だからこそ、特攻隊が中心にいて、四方向全域を囲む。勿論、ラナフレムの特攻隊的存在も、一緒に囲んでもらうつもり。


それは、ラナフレムの特攻隊といえどヴィーナスのそれの足元にも及ばないから、中心には行かせられない。



「じゃあ何か?お前がここに入ったとして何ができるんだ?個人的な感情を、戦略に反映するわけにはいかない。」



赤丸を指しながら、トーンを落とした声でそう言った。



「だとしてもッ!!」



「でもだってで決めていいことじゃないんだ!!いい加減わかってくれよ、ゲキ。」



涙声で弱々しく言う兄様に、ゲキはこれ以上言えなくなってしまった。



「もういい、言った俺が馬鹿だったよ。この分からず屋。」



「ゲキ!!!!」



ゲキは私の声に振り返ることなく、大げさすぎるくらい大きな扉の音を立てて、王接間を後にした。



「ふふっ、カイラくんも、随分面白いことを言うのですよ〜。」



フィリアラさんは、そう言いながら兄様の頭を撫でていた。