「あーっ、たく。やってらんねぇぜ。この歳で肩凝るとか。」



扉が閉まったと同時に、そう言いながら腕と首を回すカイラ兄様。



「まだ若い方なだけマシですって。」



私はその横で、仕立てて貰ったドレスにシワがよっていないか確認をしていた。



「来るやつは若くてもそうでなくても、面倒なだけだって。」



ソラ先生とライアン先輩が動いていて、もう国王は決まったものの、大まかなところさえ決めることはできていない。



にも関わらず会いに来るのは、新国王体制の時少しでも自分が上の立場にいたい人や、落ち着いて謁見できなくなる前に会いに来たい人など、まあ……大人の事情ってやつですね。



「間違ってはないですよね。」



碌に内政に手もつけられていない状況が続いている。



コンコン



「噂をすれば。かもしれませんよ。」



「またかよ。ったく……。」



今日はずっとこんな調子で、来る人に挨拶をしていた。



「入っていいぞ。」



ガチャリ



「「ッ!?」」



私たちが驚いたのも、無理はないのかもしれない。