それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

最後だなんて言って欲しくない。最後だなんて、信じたくない!!



「私が生きているうちに、やってはくれないか?」



記憶を取り戻して、初めて見た気がするお父様の笑顔。



「嫌……死ぬなんて……言わないでよ……。まだまだやらなきゃいけないこと、いっぱいあるんだよ?」



「(ああ、やり残したことはたくさんあるさ。ファレリアやフィルの成長を、この目で1秒でも長く見届けたかった。もっと彼女と、一緒にいたかった)」



拭ってもぬぐいきれない涙で、嗚咽交じりの私の頭を撫でてくれた。



「碌に、父親らしい、こと、を、してやれなかっ、たのかもしれない。お前のために、してやれたことなんて、そうなかった、だろう。だが、娘の晴れ舞台なら、親は見たいと願うのだ。」



「フィーちゃん、機材はカイラが準備済みで玄関に来たよ。」


シオン先輩に頼んで、生徒に運んでもらった、国が最近開発した機械装置(スピーカー)。ゲキのその声で、早くなる鼓動、大きくなる呼吸音。



「スゥーッ。フゥーッ。」



私の、大きな深呼吸。