それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「ど……どう……かな?」



無言で歩いてくるのはゲキ。すごく険しい顔をして──



「──へっ!?」



フワリ



「よく似合ってる。」



抱きしめたと思ったら、それだけ言って引き返して行った。



「あーあー。恥ずかしがっちゃって。純粋なんだから。」



「本当だよね。カイラ君とファレリア様のようにもっと堂々とすればいいのに。」



「シオン!?おまっ……いつからそれを……。」



「私が全部の体質を言っていると思ったら大間違いじゃゴルァ。」



「あっ、あーっ。俺は国王様の援護に行くんだったなぁ〜。んじゃ、頑張れ、義妹(フィル)。」



風属性で加速して出て行ったカイラ兄様。



「それじゃあ、私たちも外に出よう?」



温厚な性格にしたシオン先輩。



「はっ、はい。」



無論、私たち二人は私の瞬間移動で外に出た。