◼︎◼︎◼︎
「すまん、ユーマ。どうやら私たちの死に場はここらしい。」
背中で語る。それはまさしくこのことなんだろうと、ユーマは思った。
「全く、他人(ひと)に命をかけろがすまんとはな。」
「悪いな。孫の顔も見れんまま。」
謝る一方の王に、友人に、かけてもらいたい言葉は、全く違うものだった。
「そんなことはいい。他に言うことはないのか?」
その言葉でハッとしたわけではないが、目を閉じて、深呼吸をして、言った──
「──ありがとう。」
今までと、今日この瞬間に。
「本当はそれを、私が言うべきなだがな。
もともと孤児の私に目をつけナイアードの養子にするよう掛け合い、現在ではお前の補佐で王宮責任者(お前)の代理。だから、もし死ねと言われたら死ぬ覚悟はできていた。
それがまさか、未来のために共に果ててくれだなんて、これほど嬉しいことはない。」
目尻から溢れる涙は怖さや辛さではなかった──嬉しかった。
「ではやろうか、我が親愛なる友よ。」
此方もまた、嬉しかった。死ぬ瞬間さえ、友と共に、誰かのためになることが。
「ああ。持ってけ、老いぼれの魂。」
「後世に託そうか、我らの魂!」
「「せっかくの大見せ場、目にもの見せてくれようぞ!!」」
「すまん、ユーマ。どうやら私たちの死に場はここらしい。」
背中で語る。それはまさしくこのことなんだろうと、ユーマは思った。
「全く、他人(ひと)に命をかけろがすまんとはな。」
「悪いな。孫の顔も見れんまま。」
謝る一方の王に、友人に、かけてもらいたい言葉は、全く違うものだった。
「そんなことはいい。他に言うことはないのか?」
その言葉でハッとしたわけではないが、目を閉じて、深呼吸をして、言った──
「──ありがとう。」
今までと、今日この瞬間に。
「本当はそれを、私が言うべきなだがな。
もともと孤児の私に目をつけナイアードの養子にするよう掛け合い、現在ではお前の補佐で王宮責任者(お前)の代理。だから、もし死ねと言われたら死ぬ覚悟はできていた。
それがまさか、未来のために共に果ててくれだなんて、これほど嬉しいことはない。」
目尻から溢れる涙は怖さや辛さではなかった──嬉しかった。
「ではやろうか、我が親愛なる友よ。」
此方もまた、嬉しかった。死ぬ瞬間さえ、友と共に、誰かのためになることが。
「ああ。持ってけ、老いぼれの魂。」
「後世に託そうか、我らの魂!」
「「せっかくの大見せ場、目にもの見せてくれようぞ!!」」

