それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「フィル、例のアレ頼むぞ。」



そう、今日この学園に来た2番目に大切な理由。



「でっ、でも……。」



「子供は親の言うことを素直に聞くのも、ある意味仕事のうちだ。それに、あの偉大な先代の術式を補強できるほどの実力を、君の父上は持ち合わせている──信じろ。」



ユーマさんのその言葉で、ゲキでも全損させられなかった術式のことより、信じて任せることを最優先にした。



「了解です。」



「カイラ。」



「はっ、護衛ですね。お任せを。」



私につかまって、瞬間移動をした。