それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「おいカス、この方が出来損ないだなんてわけねぇだろ。取り消せ。」



「いやぁ?案外出来損ないのカスかもよ。知ってた?この学園の術式は現国王(カレ)の術式(それ)ではないことを。」



この学園は、国王の防御結界術式を使っている。



「お気づきだろうか?誰も現国王とは考えず、国王と考えたはずだ。」



それはまあ、学園の規約にも書いてあったし。



「じゃあ、いつの時代の国王か。」



「もうよいッ!!」



聞こえて来たのは、校門の前にいる、目を伏せる国王。お父様の声だった。



「トウロォー……。」



「ああそうだ私はッ……そもそも、この学園を覆っているのは私の術式ではない。我が父で守護神の通り名を持つ、最高クラスの防御術式の使い手。先代国王トール・クラフィネイトのものだ。

死して尚、こうして術式は発動し続けるほどの才を持ち、国民からも好かれていた。」