それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「悪魔の術式で枯らすと、黒く暗くなる以前に、森の精霊力を破壊し尽くして灰となり風に消えます。」



再び教卓に森ができたものの、あの時スズさんが言って、繋ぐ森(リンク・フォレスト)で見た光景とは、全く違うものだった。



「どなたが検証実験をされたのかは定かではありませんが、もしも本当にマナの神殺しの術式の大元(ベース)が悪魔の術式なら。という仮定の下行われたこの結果と同様なら、我々は、そもそも悪魔の仕業ではないと仮定しました。」



私たちは、よう精が被害に遭ったと言い、今年の会議開催国のラナフレムが議題に上げたという時点で、何の疑いもなく森を『枯らす=悪魔』と考えていたんだ。それが、根本的に間違っていた……。



「そして、その仮定から僕たちはもう一つの可能性を見つけました。ヴィオラちゃん。」



フレアくんに言われて、ヴィオラちゃんが詠唱を始めようとした時だった。



──ドーンッ!!



校舎が揺れた。