「ヴィオラだけでも守ってみせ…。」



こんなところでシスコン発動をしようとしていたが



「にぃ、みんなも、助けて?」



「ああ勿論さ!我が妹よ!!

最上級術式、愛の城(ラヴ・キャッスル)」



妹の一言で、兄はコロッと態度を変えた。



「そして……」



「「有罪(ギルティー)!!」」



「今っ、影の影が影を掴む。

最上級術式、影捕りの悪夢。」



少し早口で詠唱したフレア。マーキングのない不死身兵を完全に捉え、固定。影を少し濃くした。



「ウェイド!アリアちゃん!!」



「はいよッ!!」



「イェス!!」



その隙に3人が遠慮なく全てを倒して行く。学生の咄嗟の連携とは思えないほど完璧に決まったと言える不死身兵戦。



ここまでやったのは間違いなく、有無を言わせない圧倒的カリスマ性。これがフレアの強み。



自分は実力がないと涙を流した日から、その差を埋めるために別のところを駆使する更なる努力は、間違いなく今日証明された。



「そこまでっ!!」



兵が全てやられたのを見てフィルが合図をすると、8人は崩れるように倒れ、息を切らす。そして、笑っていた。やりきったというその顔で。