それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「そんなこと言われても、復活しすぎて倒したのかがわかんねぇんだよ!!」



ナルは猫をかぶる余裕がなくなっていた。



「さすがにここまでくると、きついの一言に尽きるよね…。」



回復スピードが一時的に上がった不死身兵だが、フレアは冷静そのものだった。七人の状況を把握し、頭の中で作戦を立てた。約3秒。



「動くよ。戦況が。」



フィルは楽しそうだった。



「一気にけりをつける!5分でいい、ヴィオラちゃんは結界を最大まで引き上げて!」



「イェス、フレアさん。」



戦っている一帯から、あふれんばかりの精霊力が漂った。



「ナルも5分、不死身兵だけにマックスの重力かけて!」



「ったく…人使いが荒いですね!!」



八人だけを避けて、全域にかけた重力。繊細かつ、ヴィオラによる強化もあって強力だった。