どこも弟(妹)の方が芯はしっかりしてるんだとフィルは悟ったが、じゃあ自分はファレリア様よりも?と考えてしまい、別の話題を振った。



「そういえばフレアは?」



するとマナは目をそらし、申し訳なさそうにザンが言った。



「それが会長の仕事が忙しすぎて授業を受ける時間さえも惜しいくらいだといっていたんですよ。」



「私たちも手伝ってはいるのですが、手伝えないものの方が多くて…。」



続けて言ったマナの顔も引きつっていたように見えた。自分の時は、術式をサッと使って片付けていたが、闇と水だけでのフレアはそういったことができないから、フィルにはアドバイスも何もできなかった。



ファレリア様も、よく術式を使っていたなぁ…。



「そ、そっか。私の時のだと参考にならないと思うから、自力でなんとかしてもらうしかないね。」



ほんの少しだけトーンの落ちたフィルを見て、ザンは明るく振る舞った。



「そういえば、兄さんとカイラ先輩はどうされましたか?」



今回、名目上は卒業生による指導ということで、その2人も呼ばれていた。



「ゲキは途中で来るって。二人同時に行ったらもっとパニックになってただろうしね。カイラさんは、最初の授業が終わったら来るって言ってたよ。」



そう説明すると、ザンも納得したようだ。



「教室まで案内するのが生徒会の役目、とりあえずフィーさんをつれていこうか。」



落ち着いたその背中に、ザンもちゃんと仕事をやってるんだなぁ〜と少し感心した。



「待ってください先輩!!」



その二人の後ろ姿を、学生時代のファレリアとフィーネを重ねてしまうほどに。



「行きましょう。」



するとマナに手を引かれるがままに とりあえず今年の一年生の教室に来た。