「ファレリア様…。」



「まあまあ、今回はお話をしに来ただけです。今は私一人ですし、交戦も交渉も、そちらが何かしない限り私は何もしません。」



空中から優雅に着地して歩いて来るのは、悪魔の服を身に纏ってはいるものの、紛れも無いお姉様。けど、何かがおかしい。



それを感じ取ったのか、不安になっていた私のためか、タクトさんと兄様が私の前にいた。



「お話を。そう言われて信じる人間はいないと思いますが？」



口を開いたのはタクトさん。空気はただ、ピリピリと張り詰める。



「人間でない者なら信じると？我々は、異能力者という時点で人間ではないと思いますが？」



悪魔のように笑う、悪魔のお姉様。



「本題へ移るとしましょうか。

今日会いに来たのはお話をと言いましたが、ヴィーナス王国第一王女の戴冠式はいつ行われますか？」



誰しも驚いたけど、驚かなかった風にした。



「あなたが策を講じたお蔭で、フィル様は復帰されるようだ。」



貴族会。そのトップのソラさんが私の復帰を教えた。情報、流してしまって大丈夫なの？