無意識のうちに溢れ出てくる精霊力。目の前にいる悪魔(シラクス)は恐怖よりも、感動していた。



「おお、やはり器というだけあるね。だけど、弱点は幼稚なことだ。もっと冷静でいることを習うといい。」



私はさらに挑発に乗るところだった。



「やめなさい!」



そうか、この時知ったんだ。アスレイお姉さんがファレリア様だってことに。



「まさか君は出て来るとは思っていなかったよ、ファレリア。」



するとゆっくり私の方に来て、すっと抱きしめた。そして、宥めるようにゆっくりと何度も頭を撫でた。



「ユキナさんが悪魔だって知って、消えてしまって、悲しいのはわかるわ。けど、怒りに任せた力では、本来の実力は出せない。ここは私に任せて。」



溢れ出るみたいだった精霊力は止まり、それを見て安心したのかシラクスの元へ歩いて行った。



私はまたユキナさんみたいにいなくなってしまう、死んでしまうのではないかと止めようとしたけど、先の反動で思い通りには体が動かなかった。