それでも歯車は回っていく2 〜王国滅亡編・上〜

「こ、こんにちは。ノック無しにすみません。」



「おお、待っておったぞタクト。」



特攻隊のタクトさんが、息を整えながらこちらに歩いてきた。



「ノックや応答は面倒だから、気にせずにとにかく早く来いと言ったのは私だ。休日だったのにすまないな。」



タクトさんは風属性メインで結構腕の立つ特殊異能力者だけど、瞬間移動の類は適合しなかったらしい。



とまあ、そんなことは気に留めず、国王様は普段と何一つ変わらない対応だった。



「いえいえ、それよりファレリア様が行方不明になったのは本当ですか?」



ここのにいる5人が、一斉に表情を変えた。



「あっ……すみません。なんか聞いちゃダメだったみたいですね。」



タクトさんの声のトーンとともに、この場の雰囲気も落ちていった。けど、それを覆したのは意外な人だった。



「そーだよ。ファレリア様はヴィルに連れ去られたんだってぇ〜。」



「ラ、ラック!?」



そういえば、ラックさんも伯爵家の当主。今日の会議に参加していたんだと思えば、その高貴な服に着られているように見えるこの状況も、それに対してタクトさんが驚いたのもなんとなく理解できる気がする。