それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「私は今回辞退させてもらえませんか?

この一年で大変さを知ったからこそ、来年もやっては学業が疎かになりそうで、進路も心配で…。」



そこで口を紡ぐと、少し残念そうにファレリアが言った。



「大丈夫よ。

ちゃんと自分の意思で断るのだから。

それにあくまで指名なだけで強制ではないの。」



指名は指名であって強制ではないのは事実。



受けてもいいし断ってもいい。



「本当に申し訳ありません。」



頭を下げたリクに優しく言い切った。



「大丈夫よ。あなたは悪くない。」



メンバーも優しい眼差しを向けるだけだった。



「進級までは、ちゃんと仕事を全うします。」



笑顔で言うと、ファレリアが少しふざけて、



「じゃなきゃ全て仕事を庶務に回しますからね。」



と、シオンとフレアに視線を動かした。