それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「何をこそこそと「此れは此れは、自己紹介もなく人を愚弄し、挙げ句の果てに皆平等を掲げる学園内で権力を振りかざす無礼者がいるとは思っていませんでしたよ。」



普段はフィーネに甘いゲキも、本来はとある有名な父親を持ち爵位も高い家の息子だ。



他者を見極める力を持っていれば、冷静に判断する思考も持ち合わせ、その口からでる言葉は、巧みに人を欺くことも可能だろう。



「何をいっているの!私はリーシャ・レイロッド。レイロッド伯爵令嬢よ!!あなたたちごとき、本来顔を見られただけで光栄と思うのが当たり前よ!!」


「シオンさん、レイロッドってどちら様ですか?」



「んな伯爵家聞いたことねえよ。どうせ地方の領長とか、男爵みたいな貴族会にも出られねぇ下級貴族だろ。」



「確かによく勘違いするのって、そういった人々でしたね。」



「本当に伯爵ならこんな無礼は働かないし、あたし達の顔だって知ってるはずだ。」



フィーネの前で庇っている二人の会話がフィーネの耳には入った。



ワンキャン騒ぐ彼女に対して、シオンも少し本性に傾きかけていた。



それと同時にゲキは偶然か分かってか、確実に前者であろうと思いつつ今はフィーネの体力の関係で広げられない結界の外で話すリーシャにかなり苛立ちながら言った。



「では私たちの顔を見られることも光栄と思って当たり前ですよね。」