それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

「まだ…仕事…も、あ、るし…行かなきゃ…。」



聞く耳を持つはずがない。



「マジで大丈夫かよ?シオン、せめてちょっと診てやれよ。」



カイラは分かっていたかのように言った。



「わ、分かったです。

聖霊よ、誰かのために救いを探し続ける人の声を聞き入れ、その全てに祝福を。この者を救うための力を私に与え、導きも示すよう私の声に応えよ。

最上級術式、万能治療(ファラ・オール)」



シオンは回復者(ヒーラー)なので診てみたが、一瞬だけ目を見開いてから、カイラの方を見て申し訳なさそうに首を横に振った。



「そっか、シオンでだめなら保健室もだめだな。」



シオンは学園内だけではなく、おそらく国内でもトップを争える。だが、その彼女にもできなかったのだ。



無詠唱で精霊級の異能力を使ったからか、と思われたが普段からやっているわけで、かといって他に原因があるのかわからない。


まあ仮に分かったとしても対処の仕方がわからない。



「フィーちゃん、ごめんなさいです。」



「大丈夫ですよ。そんなにやわじゃないし、すぐ良くなりますから。お気遣い感謝します。」



すると一人の生徒が入ってきた。