それでも歯車は回っていく1 〜ウェルティフル学園編〜

ザン様…も希代の一人、アレクシア家の次男。



「いやあ、助かったよ。ありがとう。」



先輩が去ったのを確認してから後ろから聞こえてきたのは、そのザン様の声だった。



「いえ、私にできることはこれくらいです。」



幻影術式で、本人非公認のファンクラブのメンバーから匿ったに過ぎない。



「えっと…名前なんだっけ?」



同じ伯爵家にしては関わりやすい雰囲気だった…同じではないか……。



「まだ、名乗る資格はありません。」



クラン家の恥だから。



「君は、すごく真面目なんだよね?じゃあえて聞かないけど、一つだけお願いしてもいいかな?」



「何ですか?」



普通の貴族ならはいと即答するんだろうけど、私は、理にかなっているかどうかを見極めてからその判断をするようにしている。